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バリ取り機導入のメリットとは?コスト削減・省人化・品質向上で競争力アップ

2024.01.23

「バリ」とは、製品の加工工程で生じる余分な突起や切り粉(いわゆるカエリ)のことで、そのまま放置すると製品の品質低下や安全性の問題を引き起こす原因になります。製造業においては製品品質と生産効率が競争力の要であり、バリを確実かつ効率的に除去する「バリ取り」の工程は常に大きな課題とされてきました。さらに昨今は、少子高齢化による人材不足や人件費の高騰も進み、バリ取り作業の効率化・自動化による省人化がますます重要になっています。

こうした背景の中で、生産現場に専用のバリ取り機(自動バリ取り装置)を導入する動きが広がっています。バリ取り機の活用によってバリ取り作業がスムーズになり、仕上がり品質の安定や生産性向上、さらにはコスト削減にも大きな効果を発揮します。本記事では、バリ取り機導入のメリットについて、特にコスト削減の観点を中心に経営者の皆様向けに詳しく解説します。


バリ取り機導入によるコスト削減効果

バリ取り機の導入によって最も注目すべきはコスト削減の効果です。まず、製品から確実にバリを除去できることで不良品の発生や再加工の削減につながります。手作業では取り残しや仕上げムラによって、製品が基準を満たさず廃棄や手直しが生じることがありますが、自動化された機械ならば安定した品質でバリを除去できるため、歩留まりが向上し無駄な材料コストや手直し工数を減らせます。さらに、バリが原因の品質クレームや製品返品も減少し、アフターサポートに割くコストや時間も削減できます。品質安定による信頼性向上はブランド価値を高めるだけでなく、結果的に余計なコストを抑えることにも直結します。

加えて、バリ取り工程の自動化は人件費の削減にも大きく寄与します。従来、熟練作業者が長時間かけていたバリ取り作業を機械が代替することで、必要な人手を減らし、従業員を他の生産業務に振り向けることができます。作業に要する時間短縮により残業削減や生産性向上が図れ、一人あたりの生産コストを低減できます。初期導入費用は発生しますが、機械による省力効果で投資回収も比較的短期間で可能になるでしょう。実際、ある試算では手作業で部品1個あたり約25円かかっていたバリ取りコストが、自動化設備の導入後には約5.9円(約1/4)まで低減できたと報告されています。このように、バリ取り機の導入は長期的に見て明確な費用対効果をもたらし、企業の収益力向上に貢献します。


製品品質の向上と安定

バリ取り機を用いることで、製品の品質向上とその安定が期待できます。バリを確実に除去することで、製品表面の仕上がりが滑らかで均一になり、寸法や形状も設計通りに仕上げることができます。バリによる引っかかりや干渉がなくなるため、組立工程での不具合や製品使用時の故障リスクも低減します。見た目の美しさも向上し、エッジが整った高品質な製品は顧客に安心感を与えます。品質のばらつきが抑えられ、常に一定レベルの出来栄えを維持できるため、納入先からの信頼も増し、自社製品のブランド価値向上や競争力強化につながります。高品質な製品を安定して提供できれば、顧客満足度が高まり、リピート受注や評判の向上といった好循環を生み出すでしょう。


バリ取り自動化による省人化と作業効率向上

バリ取り作業を機械に任せて自動化することで、現場の生産効率は飛躍的に向上します。機械は人手よりも速く安定した動作でバリを除去できるため、1製品あたりの加工時間が短縮され、全体の処理スピードが上がります。例えば、従来手作業で1個あたり24分かかっていたバリ取りが、自動機導入によって4分で完了し、約6倍もの効率化を実現したケースも報告されています。バリ取り時間が大幅に短縮されることで、生産ライン全体の流れがスムーズになり、製品の製造リードタイム(完成までの時間)が短縮します。これにより受注から納品までのスピードが増し、市場への製品投入を迅速化できるため、ビジネスの機会損失防止や競争力強化にもつながります。

また、バリ取り機の導入は省人化にも寄与します。機械化によって熟練を要する手仕上げの比重が減るため、特別な技能がなくても一定品質の作業が可能となります。慢性的な人手不足や熟練工の高齢化が進む中でも、バリ取りの自動化によって人に依存しない生産体制を築けます。現場では、機械が単調で負担の大きい作業を肩代わりするため、作業者は他の付加価値の高い業務に専念でき、生産ライン全体の効率が向上します。場合によっては1人の作業者で複数台のバリ取り機を管理・操作することも可能で、ライン全体の稼働率を高め一人当たりの生産量を大きく増やすことができます。このように、省人化と効率化を両立するバリ取り機の導入は、人件費削減と生産力強化の両面で大きなメリットをもたらします。


安全性の向上

バリ取り機の導入は、現場の安全性向上にも大きく貢献します。従来、鋭利なバリを手作業で除去する際には、作業者が指先を切ったり工具で怪我をするリスクが伴いました。機械による自動バリ取りであれば、作業者が危険な工程に直接触れる必要がなくなるため、そうした労働災害のリスクを大幅に低減できます。実際、バリ取り機には安全カバーや自動停止機能など各種の安全対策が施されており、万一の事故発生を未然に防ぎます。また、機械が作業を代替することで、作業者の肉体的負担やストレスも軽減され、長時間の手作業に伴う疲労や職業病(腱鞘炎など)の防止にも寄与します。粉塵や切り粉も機械内部で集塵・回収されるため、作業場の環境改善や衛生管理にもメリットがあります。安全で快適な作業環境を実現することは、従業員の安心感と生産性向上にもつながる重要な要素です。


多様な素材・製品への対応

バリ取り機のメリットとして、その適用範囲の広さも挙げられます。バリ取り装置にはブラシ、サンダー、振動バレル、ロボットアームなどさまざまな方式があり、金属・樹脂・木材といった多様な素材や、製品の形状・サイズを問わず対応できる機種が存在します。例えば、金属部品では溶接やプレス加工後に発生するバリの除去、樹脂成形品では成形時にできる余分なエッジの除去、木工製品ではカット面のささくれ除去など、用途に応じた専用機で効率的にバリ取りが可能です。このように、適切なタイプのバリ取り機を選べば、自社の製品ライン全般で安定した品質と効率を実現できるでしょう。


まとめ

バリ取り機の導入によって得られるメリットは、コスト削減を筆頭に、品質向上、省人化による効率化、安全性向上など多岐にわたります。製造業における生産コスト削減や品質安定は、どの企業にとっても競争力強化の重要課題です。初期投資こそ必要ですが、長期的に見れば自動バリ取り設備の導入効果は大きく、現場の生産性と収益性を飛躍的に高めることができるでしょう。自社の製品や加工プロセスに適した機種を選定し、信頼できるパートナーと共に導入を進めることが成功のカギとなります。

弊社トーバン工業は、創業1860年の長い歴史で培った研磨・バリ取り技術のノウハウを持つメーカーです。自動投入からバフ研磨・バリ取り、洗浄乾燥、搬出ストッカーまで一貫した自動化ラインを自社開発・製造しており、自動車や航空機産業をはじめ、幅広い業界で弊社のバリ取りシステムが活用されています。豊富な導入実績と信頼に裏打ちされた技術で、お客様の生産効率向上を全力でサポートいたします。実機を使ったサンプル加工テストの実施やショールームでのデモンストレーションも可能ですので、バリ取り工程の自動化をご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。

以下の弊社製品は、自動バリ取りを非常に得意としております。

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