お役立ち情報
USEFUL
バリ取り自動化の導入事例と成功のポイント
2025.01.10
製造現場において、バリ取りは品質に直結する重要な工程の一つです。従来、熟練作業者による手作業でのバリ取りが主流でしたが、近年は生産性向上や人手不足対策のためにバリ取り工程を自動化する企業が増えています。今回は、バリ取り自動化の導入事例と、その導入を成功させるためのポイントをご紹介します。
1. バリ取り自動化のメリット
1-1. 品質の安定
手作業では作業者のスキルによって仕上がりに差が出やすいですが、バリ取りを自動化すれば加工条件を一定に保つことができます。ばらつきがない安定した品質は、最終製品の信頼性向上に大きく寄与します。
1-2. 生産性の向上
自動化によって、作業の時間短縮や効率化が実現できます。人手によるバリ取りでは数分かかっていた工程も、専用機を導入することで大幅に時間が削減できるケースが多くあります。
1-3. 作業者の負担軽減
バリ取り作業は、振動工具の使用や同じ動作の繰り返しなどで作業者の負担が大きいのが課題でした。自動化すればこの負担を軽減し、作業者にはより付加価値の高い工程に専念してもらうことができます。
2. バリ取り自動化の導入事例
2-1. 自動車部品メーカーA社
【導入背景】
A社ではエンジン部品のバリ取りに熟練作業者が必要でしたが、作業負荷の高さや人手不足が課題でした。そこで、バリ取り機による自動化を導入。
【導入効果】
- 品質の安定:仕上がりのバラつきが大幅に低減
- 生産性向上:人手の4倍のスピードで処理が可能
- コスト削減:不良品削減と作業効率化でトータルコストを40%ダウン
2-2. 精密金属加工メーカーB社
【導入背景】
B社では医療機器向け金属パーツを多品種少量で製造しており、短納期対応が求められていました。手作業のバリ取りでは納期遅れが続出。そこで、柔軟に加工条件を変更できるバリ取り機を採用し、ラインごとに自動化を進めました。
【導入効果】
- 短納期対応:急な変更でもすばやく加工条件をセット可能
- 作業者の技量依存からの脱却:未経験者でも操作がしやすい
- 安全性向上:危険な作業場への人の立ち入りが減り、労働災害リスクが低減
3. 導入を成功させるためのポイント
3-1. 工程全体の見える化
バリ取りだけでなく、前後の工程を含めた生産フローを可視化しておくことが重要です。自動化システムを導入する前に、どの工程がボトルネックになっているかを把握しましょう。
3-2. 適切な機器選定
バリ取り機と言っても加工方法や対応素材などは多様です。製品の材質や形状、必要とされる仕上がり精度に合った機器を選ぶことで、最大限の効果を引き出すことができます。
3-3. オペレーターへの教育
自動化システムを導入しても、機械を操作するのは人です。誤った使い方をすればトラブルや品質不良の原因となります。導入初期に操作マニュアルや研修体制を整え、スムーズな立ち上げを目指しましょう。
3-4. メンテナンス・保守
導入後に定期的なメンテナンスを行わなければ、生産効率が低下する可能性があります。保守体制をしっかり確立しておくことで、トラブルを最小限に抑えられます。
3-5. 導入効果の検証と改善
導入後も、加工精度やタクトタイム、不良率などの数値を定期的にモニタリングし、必要に応じて条件設定を見直すことで、さらに生産性を高められます。
まとめ
バリ取り自動化は、品質向上や作業者の負担軽減だけでなく、生産効率やコスト面でのメリットも大きい取り組みです。とはいえ、自動化は導入して終わりではなく、運用開始後も継続的な改善が求められます。工程全体を俯瞰し、最適な機器を選定し、適切な教育とメンテナンスを行うことで、初めて自動化の恩恵を最大限に引き出すことができるでしょう。
弊社では、用途や加工条件に合わせたさまざまなバリ取り機のラインアップを取りそろえております。
自動化の検討や導入をお考えの際には、是非お気軽にお問い合わせください。製品選定から導入支援、アフターサポートまで、一貫したサポートで貴社の生産ラインを強力にバックアップいたします。